マチミィ'S DIARY

包丁のことや育児・日常のことを毎日更新中♪

包丁研ぎ/仕上げについて。

こんにちは、マチミィです。
「この包丁でなにをメインで切っていますか?」
良い研ぎ屋さんに包丁を依頼したことのある人はこんなことを聞かれたことがあるのではないでしょうか?
包丁の切れ味を決める要素はとても複雑で多くありますが、その中で大きな要素のひとつが研ぎによる調整です。
今回はそのあたりを皆さんと共有したいと思います。

同じ包丁を使っていても、
1.どのような砥石で研ぐのか。
※天然砥石なのか、人造砥石なのかなど。
2.研ぎの角度はどれくらいにするのか。
3.刀身の作りをどこまで薄くするのか。
4.最終的な仕上げを何番の砥石で行うのか。
このような研ぎの調整で、その包丁の切れ味を決定していきます。
今回はこの中の4.最終的な仕上げを何番の砥石で行うのか。についてです。

例えば、鶏肉を身から切っていって、皮まで一発でスッと切りたい!と考えた場合。
結論から言うと刃先の仕上げは粗めの方が適しています。
砥石による包丁の刃先をよく鋸の刃に例えますが、あれはかなりイメージしやすくて良いですね。
高番手の10000番などで仕上げると、鋸の刃が糸鋸のように浅くてきめ細やかな想像をしてもらえれば良いかと思います。
中砥石の1000番などで仕上げた場合は、鋸の刃が太い木材を切るような深くて若干荒い想像になります。
包丁研ぎを調べていると、結構勘違いしやすのですが・・・
この刃の話って、どちらが優れているという話ではなくて、適材適所という話なんです。
よく「高番手で仕上げれば仕上げるほど切れ味が良くなるー!」と思ってしまう人が多いです。
包丁研ぎは正解不正解が付けにくい世界ですが、珍しく明確な間違いです
気をつけてくださいね。

前述の糸鋸と鋸の用途を比べていただけるとわかりやすいかと思います。
使う場面によって使い分けますよね。
包丁にも同じことが言えるんです。
ぐにぐにして切りにくい鳥の皮をキメ細かい刃で切るって、想像するだけで切りにくいですよねw
もちろん天然砥石や、企業の開発努力でグッと掛かる要素を持たせながらきめ細やかな刃を作れる仕上げ砥石もありますが、やはり比べると荒目の方が切りやすいと感じると思います。
※切り手の技術でスパッと切れれば、当然ですが高番手の砥石で仕上げているほうが食材の仕上がりは綺麗ですよ。
玉ねぎなども砥石の調整がわかりやすいですね。
単純な比較になりますが、
中砥石で仕上げるとザクっと気持ちよく切れてくれますが、鋸で切っているイメージなので、細胞を傷つけやすいぶん目にしみやすいです。
高番手で仕上げると、糸鋸で切っているイメージなので刃の掛かりが少し劣る代わりに、滑らかに切れるため、細胞を傷つけにくく、目にしみにくいです。

このように、自分が使っている包丁になにを求めているかを理解して、砥石を選ぶ。
これがとても重要になってくるんですね。
漠然と包丁を使っていても気付きにくいですが、こう言われると求めることが見えてきたりしませんか?
またこれが難しいのですが、この話には正解ってないんですよね(・_・;
それぞれが感じる感覚の話だからですね。

なので紹介はざっくりとになってしまいますが・・・
・肉や魚を三枚におろす時
・小ねぎや長ネギ、さつまいもやかぼちゃなど、切りにくかったり硬かったりする野菜
この辺りは少々荒い仕上がりの方がいいと感じることが多いように思います。

玉ねぎや刺身を引く際など、食材の細胞を傷つけるとよくないものは高番手で仕上げた方がいいと感じることが多いです。

仕上げで注意が必要な点は、
1500番くらいまでなら特に鋼材と砥石の相性が悪くて話にならないということは少ないケースだと思いますが、
※砥石自体の性能が著しく悪いものというのは除きます。
昨日グローバルの記事でも紹介しましたが、高番手の砥石で仕上げすぎると鋼材との相性が悪いことがあります。
記載していませんでしたが、高番手とは8000番以上のことを言っています。
一概には言えませんが、ステンレス系の鋼材に多く見られますかね。
そうすると、包丁が食材に噛んでくれなくて、ただただ包丁が滑っているという事態になります。
この辺りもすごく複雑なので、
仕上げ砥石でカエリの処理をするだけなら良いけれど、研ぎこみすぎると悪影響になる可能性があるということだけ覚えておいていただけたらと思います。
https://www.machimy.com/entry/2021/01/08/073000#日頃の研ぎは刃先を整えるのみ自分で行い難しいことは研ぎ師さんにお願いする
こちらで紹介した研ぎ方がカエリの処理のみを意識した研ぎ方になります。
高番手の仕上げ砥石を使用して、その包丁に合った調整のされた包丁を一度でも体感すると、忘れられないほどの使用感になります。
包丁選びや包丁研ぎの奥が深いのはこの辺りがとても大きいですね。
8000番以上の砥石の選び方については、また今度書くことにしますね。

いかがでしたでしょうか?
最初に書いた「この包丁でなにをメインで切っていますか?」という質問、マチくんも人の包丁を研ぐ時に必ず聞きますが、明確な答えが帰ってきたことは稀です。
この記事を読んでくれた皆さんが、自分の包丁になにを求めているのかがわかって、その切れ味を体感出来た時の喜びに触れてもらえることを願っています。
それでは、最後まで見ていただいてありがとうございました。

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