マチミィ'S DIARY

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包丁の鋼材について、家庭的な印象をざっくり解説!第四弾青二鋼。

こんにちは、マチミィです。
今回が最後の第4弾、青二鋼についてです。
鋼の良い包丁が欲しいと検索したことのある方は悩んだことのある鋼材ではないでしょうか。

この記事から見ていただいている方のために鋼のおさらいを最後に載せておきます。

第一弾を見てくれている方には、早速ざっくり解説していきます。
・白三鋼はこちら^^https://www.machimy.com/entry/2022/03/04/000000
・白二鋼はこちら^^
https://www.machimy.com/entry/2022/03/05/002728
・白一鋼はこちら^^
https://www.machimy.com/entry/2022/03/09/061125
・青二鋼
四本立ての最終回は青二鋼について話していきます。

青二鋼とは。
本職用に位置付けられている鋼です。
白鋼よりも噛みつくような切れ味が出しにくい代わりに、永く切れることを目的とした鋼材です。
それでは、恒例のなんで?に参りましょう(´ω`*)

なんで本職用なの?

少しややこしい話になりますが、お付き合いください^^;
包丁の切れ味って、皆さんはなにを求めていますか?
たぶん、答えにくい方がほとんどだと思います^^
そもそもが漠然とした質問ですし、そんなこと言われてもわからないよ(・_・;
ってなりますよね。
ご家庭用の切れ味を言語化すると、
1:肉でも野菜でも、包丁がしっかり食材にかかって切ってほしい!
2:切れ味が永く続いてほしい!
3:切れ込みが良い包丁が良い!
この三拍子になることが多いと思います(´ω`*)
このうち3は鋼材というより包丁の作りと形状が影響します。
藤次郎さんのハマグリ刃などがこれに当たりますね。
(研ぎによるハマグリ刃でも調整可能です。いずれにせよ鋼材とはあまり関係がないかと思います^^)

それでは、鋼材が関わってくる1.2をまとめて解説していきます。
白鋼と青鋼の関係性は
1のかかりは白鋼>青鋼
2の永切れは白鋼<青鋼
となっています。
研ぎによる調整や鍛冶屋さんの技術で一概には言えない部分も多々ありますが、概ねこの関係性を覚えておいていただければ十分かと思います^^

ご家庭が求める切れ味が永く続いてほしい!というのは、研ぎなどのメンテナンスに時間を取られたくないという意味合いが強いのではないでしょうか^^?
本職の料理人の方も同じことを求めているとは思いますが、適材適所な部分があることと、追加で求めていることがあるそうです。
それは『調理の途中で切れ方が変わらないでほしい。』ということ。
私たちにもわかりやすいのがフグの刺身だと思います。
料理人の方は一枚のお皿に均等な幅でうすーく並べて行きますよね(*´-`)
イメージしやすいように大げさに書きますが、
最初の一切れと最後の一切れの切れ味が違うと、いくら修行したプロの料理人さんでもあれほど薄く均等に切るのが難しいことが、私たちにもなんとなく想像つくのではないでしょうか?

なんで白鋼よりも青鋼のほうがかかりが弱くて永く切れるの?

私たち家庭的な考え方でざっくり簡単に話すと、
青鋼は白鋼にクロムとかタングステンという素材を混ぜているんです^^
その素材は包丁に永く切れる要素を与えてくれる代わりに、鋭さを軽減させてしまう力があるんだよ。
という認識で良いかと思います。
この混ぜ物の影響で値段も高額になることも特徴です。

つまり?

本職の料理人さんが大量の仕込み、調理をする際に途中で切れ味が低下しては作業効率、見た目、味に関わるため、純粋な切れ味(かかり)を多少犠牲にしてででも、永く切れることを目的とした鋼材。
それが青二鋼です。
これぞ本職用!というような鋼材ですねw

マチミィが所持しているのは鍔屋の柳ですね。
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意図的にかかりを出そうとしないと、たしかに少しかかりが甘いです。
切っ先が折れてしまい、小さくなったこともあって杉本の柳を購入したので、使用頻度が落ちていることもありますが、一度しっかり研いでしまえば、しばらく研がなくても問題ない印象です。
(半年以上研いでいないと思います。)


藤次郎さんの青鋼はこちら^^
tojiro.net
刃渡りの長い包丁が目立つのがわかりますね。
青鋼のラインナップは強く本職の方を意識されているのではないかと勝手に想像しています(*´-`)
藤次郎さんの青鋼は所持していませんが、一度問い合わせたことがあります。
とても丁寧に造っているとのことですので、期待出来る包丁ですね^^
※青鋼と青紙は表記が違うだけで同じものになります。

酔心さんの青鋼はこちら^^
suisin.co.jp
酔心さんも小出刃が一本ありますが、全体的に刃渡りの長い包丁が多いですね。
疾風がこちら^^
suisin.co.jp
かねこさんの舟行き(予想)がこちらですね(*´-`)
こちらも写真を送っていただいたことがありますが、素晴らしいの一言に尽きます。
よく登場しますが、青鋼であのかかりは驚きですね。
本当に砥石のセッティングが気になる・・・
使っていないなら森平さんの500番を是非使ってほしい。

マチくんが欲しい欲しい言っているのは蛸引きですね^^
twitterで
『今日の相棒は蛸引き♪』
って写真撮ったらみなさんびっくりしますかねw

まとめ

いかがだったでしょうか?
4回に分けて紹介してきましたが、わかりやすく伝わっていれば嬉しいです^^
番外編で銀三鋼、それからステンレス鋼についてもまとめていきたいと思っていますので、こちらもお楽しみに(*´-`)
それでは、最後まで見ていただいてありがとうございました。




鋼のおさらい

共通する特徴
・錆びやすい
本当にとことん錆びますねw
青色変色チャレンジやっていますので、気になる方は参考にしてみてください^^
www.machimy.com
こちらになります。

・研ぎやすい
ベタ研ぎの時が顕著です。
おすすめしているご自身で1ミリで小刃研ぎしていく使用方法なら良い砥石を使っていれば、そこまで気にならないかと思います。
鋼でもステンレス鋼でも、大変な研ぎ抜きは研ぎ師さんを頼りましょう^^

・カエリの処理がしやすい。
ステンレスの鋼材は粘りがあるので、総じてカエリが処理しにくい傾向がありますが、鋼は(後述する白鋼は特に)パリッと外れるので、処理しやすいと思います。

・食材への掛かりが出しやすい。
大げさに言うとまな板に包丁を当てると止まるような状態ですね。
食材の相性で滑らかに刃が入って行って欲しい食材とクッとかかって欲しい食材があります。
反発の大きな食材や魚の皮などはしっかり刃がかかってくれないと話にならない状況になってしまいます。
自分で研ぎたくてかかる刃が欲しい研ぎ初心者の方は白鋼の包丁は練習しやすいと思います^^

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